みなさん、こんにちは。
今年の残り日数の少なさに、ちょっと危機感を覚えている岡安です。
今日の記事は、「ZOHO SalesIQでドメインをまたいで訪問者を追跡できるのか?」ということについて調べてみましたというお話です。
ぶつかった課題:クロスドメイントラッキング
現在SalesIQの検証を進めていますが、BtoCのマーケティングに活用することをイメージして実装していく上で、いくつか課題にぶつかりました。
そのうちの一つが、「ドメインをまたいだ訪問者の追跡」についてです。
ドメインをまたいで訪問者を追跡することを、一般的に【クロスドメイントラッキング】と呼びます。
どんな時にドメインをまたいだ追跡が必要になるのでしょうか。
例えばEC機能の実現の際に、カラーミーのようなカート+決済機能のようなものを使う場合、訪問者は、ブログや自社のホームページに訪問し商品やサービスを閲覧します。
そして、商品を購入する段階で、異なるドメインの購入・決済用のサイトに移動することになるのです。
すると、訪問者の行動を追おうとしても、異なるサイトに飛んでしまうので、その後の動きを補足できないという問題が発生します。
具体的には、
に訪問し、買い物をする際には、
(カラーミーの無料お試しで実際にショップ用のページを作成してみました)
に移動するといった具合です。
顧客の行動を分析し、その後のフォローに活用するには、実際に決済してもらえたのかまでを追いたいところですが、通常の設定のままでは、訪問者の連続した動きをとらえることができません。
流出タイミングと流入タイミングを見て追うこともできますが、件数が多い場合は現実的ではないですね。
そこで、出てくるのが、【クロスドメイントラッキング】という考え方です。
その名の通り、ドメインをクロスして訪問者を追跡するための方法ということです。
例えばサイトの分析で利用されるGoogleアナリティクスでは、このドメインをまたぐ訪問者を追うための設定を比較的簡単に行うことができます。(特にGoogleタグマネージャーを使っている場合)
Googleアナリティクスでの設定について、詳しく知りたい方は、他のサイトの記事ですが、具体的な設定方法が載っていますので、ご覧ください。
GA+タグマネで、複数サイトやクロスドメイントラッキングのタグを設定する方法
Googleアナリティクスでデータ分析としては、クロスドメイントラッキングを実現することは可能なのですが、そこで疑問が出てきました。
SalesIQでクロスドメイントラッキングを簡単に実現できるのか、という問題です。
SalesIQ上でのクロスドメイントラッキング
SalesIQにデフォルトの機能として、クロスドメイントラッキングを実現する機能があれば、SalesIQのJavascriptの同じコードを異なるドメインに貼り付けるだけで、実現できるかもしれないということで、カラーミーを使って実験してみました。
残念ながらこの方法では、同一の訪問者としてのクロスドメイントラッキングは実現できませんでした。
SalesIQ上では、こんな感じなります。
本当は、ドメインをまたいだ後に、「岡安 裕一」という訪問者のみが表示されているのが望ましいのですが、新たに「426785」という識別子を持つ訪問者が表れてしまいました。
IPアドレスなどで確認すると同一の訪問者であることがわかりました。
まぁ、訪問者を識別できる情報をSalesIQに何も渡してはいないので、当たり前といえば当たり前の結果です。
何らかの形で、メールアドレスなどを引き渡せれば、実現できそうな気もしたので、ZOHOのサポートに聞いてみたところ、異なるドメインではSalesIQとしては異なる訪問者として認識されるという回答が返ってきてしまいました。(日本語での回答でしたが、回答者は英語圏の方のようでしたので、完全にはこちらの意図が伝わっていない可能性はあります)
SalesIQでのクロスドメイントラッキングを実現する方法はあるのか?
今後そういった機能が実装される可能性は十分にありそうな気がしますが、とりあえず現時点では、異なるドメインでの訪問を追跡することはできないのでしょうか?
SalesIQではなく、CRM側でデータを統合すれば実質的に追跡ができるはず、というのが現時点での私の回答です。
やり方としては、2つ想定されます。
やり方1:訪問者が購入もしくはログインを行った場合に可能な方法
ログインもしくは購入時に、メールアドレスの入力を行った場合、そのメールアドレスを取得し、SalesIQにAPIでデータをセットすれば、ZOHOCRM側に履歴を連携することができます。
※ただし、初回訪問の履歴やスコアリングの点数も引き継げる工夫もしないと異なる値で上書きされる可能性が高い
この方法の場合、購入もしくはログインが必要ですので、それ以外のユーザの履歴は連携できません。
やり方2:ZOHOCRMからAPIでメールアドレスを引っ張る方法
元々のドメイン側で、実際のメールアドレスがわかっている訪問者を追跡したい場合には、ZOHOCRMからメールアドレスをAPIで引っ張って来ることができれば、履歴を連携することができそうです。
具体的には、
- 元のドメインでGoogleアナリティクスのClientIDをZOHOCRMの連絡先(または見込客)のメールアドレス以外の項目にセットする
- GoogleアナリティクスのClientIDをドメインをまたぐ際に引き渡す
- 異動先のドメインでClientIDをキーとしてメールアドレスをZohoCRMからAPI(ルックアップ)で引っ張る
- 取得したメールアドレスをAPIでSalesIQ上のデータにセットする
- ZOHOCRMに訪問履歴が連携される場合には、メールアドレスで連携先(または見込客)を特定するので、履歴は異なるドメイン間で結合される
※ただし、初回訪問の履歴やスコアリングの点数も引き継げる工夫もしないと異なる値で上書きされる可能性が高い
といった感じが実装できれば、可能なのではないかと思われます。
ZOHOCRMのAPIをざっと眺めた感じでは、ルックアップの関数はありそうなので、実現性はあるのではないでしょうか。
ただし、ZOHOCRMのAPIを利用するには、PHPでコードを書いたりする必要がありますので、実現するには難易度が一気に高くなりますね。
もしくは先日のセミナーで登壇した清水さんが実現していたように、別途CSVなどでデータをインポートするという方が現実的かもしれません。
時間のある時にそこまで突っ込んで検証してみたいとは思いますが、実際にSalesIQを使用する際には、あまり深追いせずにライトに使い始めるのがお勧めです。
ではでは。