本当にあったビジネス法則の話(1)〜ニンニンジャーとザイアンスの法則〜

こんにちは。

今日は三連休前の金曜日ということで、あまり仕事に集中しきれていない岡安でございます。

みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

まじめな文章を書く気力が起きないので、自分でも書いてて楽しめるような記事をひねり出し、「本当にあったビジネス法則の話」のシーズン1を開幕することにあいなりました。

視聴(閲覧)率によっては、シーズン2どころかシーズン1の途中で打ち切りになるかもしれません。

お時間のある際に、ささっと目を通して、閲覧ログを残していただけると、私が大変喜びます。

さて、シーズン1の栄えある第1作は

「ニンニンジャーとザイアンスの法則」

です。

Zajonc

現在絶賛放映中(2015年11月現在)の特撮戦隊もの「ニンニンジャー」と心理学上の法則として名高い「ザイアンスの法則」の関連性とは。

少し長くなってしまいましたが、興味があれば、お付き合いください。

 

まずニンニンジャーとはなんぞや

正式名称「手裏剣戦隊ニンニンジャー」とは、テレビ朝日系列で日曜朝7:30~放映されている、特撮戦隊もの(正式には、「スーパー戦隊シリーズ」というらしいです)の子供むけテレビ番組です。

私のようなおっさん世代であれば、「ゴレンジャー」、「サンバルカン」などは記憶のかなたにカケラがあるかもしれませんし、お子さんがいらっしゃる方であれば、最近の「キョウリュウジャー」とか、「トッキュウジャー」などをお子さんと一緒にご覧になった方も多いのではないかと思います。

なお、この「ニンニンジャー」は、このシリーズの40作目(つまり40年目)の節目の作品であり、なんと「開き直り」や「テコ入れ」をテーマに作られたもので、随所に大人のおふざけが過ぎるんじゃないかと思われるような内容が詰め込まれたぶっ飛んだ娯楽作品に仕上がっております。

 

なぜいい大人が戦隊ものを見ているの?

当然の疑問ですが、私の名誉のために書いておきますと、子供(現在5歳の女の子と2歳の男の子)が観ているため、何となく観はじめました。

観はじめたときには、ちょっと厳しいなこれ、というのが正直な感想でした。

 

大人の鑑賞に耐えうるものなの?

先ほど書いた通り、これはちょっと鑑賞には耐えないのではないかというのが、第一印象でした。

自分が子供の頃以来、まともに観るのは30年以上ぶりでしたが、まず、演技力がヤバい。

これは、最近の若者が使ういい意味のヤバいではなく、だめな方のヤバいです。まさに学芸会レベル。

役者本人も認めてるようですが、特に主人公の「アカニンジャー」は滑舌も悪く、観始めた時点で番組開始から半年以上経過しているのに、これでは、これ以上の演技力の向上は望めないだろうと思わせるには十分なレベルでした。

 

いつザイアンスの法則が出てくるの?

もう少しだけお付き合いください。

で、最初は若干苦痛というか苦笑いしながら子供と一緒に見ていたのですが、子供に付き合わされて半強制的に観ているうちに、だんだん面白くなってくるんですよ、これが。

滑舌の悪い主人公に対しても、親戚のおじさんのような気持になって、応援する気持ちがでてきます。

決め台詞も、子供と一緒に叫んでみたり、気づけば結構はまっている状態。

だんだん役者などにも興味がでて、Wikipediaなどでそのバックグラウンドなども調べてみたりとか。

何だかんだいいつつ、戦隊もの初体験の奥さんも結構楽しんでいる状態で、年明けには、東京ドームシティのニンニンジャーショーを家族4人で観にいく予定になっております。
(昔のCMでいう、「後楽園遊園地で僕と握手!」ってやつですね)

 

法則はまだですか?

お待たせしました。

ここでようやく「ザイアンスの法則」の出番です。

「ザイアンスの法則」は、別名「単純接触効果」、「ザイアンスの単純接触効果」などと呼ばれ、1968年にアメリカのロバート・ザイアンスが論文にまとめたことで知られるようになった心理学的な効果のことです。

 

その内容は、

「人は、人やモノや音楽などに繰り返し接することで、対象物に対して好印象を持つようになる」

というものです。

 

つまり、その内容に関わらず、単純に接触機会を多く持つことで、印象がよくなるという法則なんですね。

営業やマーケティングの世界でよく使われるので、皆さんもお聞きになったことはあるかもしれない比較的メジャーの心理学上の法則・用語です。

CMで繰り返し観ているうちに気になったり、同じ音楽をいろんな場面で聴いているうちに気になったり、口ずさんでしまうあれですね。

 

ちなみに、このザイアンス教授は、他に「長年連れ添った夫婦は顔が似てくるのか?」といった研究をしたり、「好き嫌いに理屈は要らない」といった論文を発表しています。

 

ニンニンジャーとの関連は?

「ニンニンジャー」に対して、私は最初あきらかにマイナスの印象を持っていました。

通常であれば、そこで番組を継続してみることはありませんが、子供という媒介を通じて、半強制的に観続ける状態が続きました。

そして、何回もニンニンジャーに接しているうちに、作品や役者、世界観などに対して徐々に好印象を持つようになったのです。

これぞまさに、「ザイアンスの法則」ですよね、というお話。

 

本当に単純に接触機会を増やすだけでいいの?

実は、こういった心理学系の用語や法則をそのまま鵜呑みにしてビジネスに応用するのは、危険な部分があります。

例えば、営業の現場で考えてみましょう。

ザイアンスの法則に従って、とにかく接触機会を増やそうと、忙しいお客さん相手に、大した用もないのに毎日電話したり、アポなし訪問したらどうなるでしょうか?

少なくとも出入り禁止、下手したら営業妨害で訴えられかねません。

つまり、法則にはその効果が発揮される条件がありますし、効果的な使い方があります。

ニンニンジャーであれば、子供にはわからないけど、大人が見ると面白いような内容を含めたり、子供だましではないストーリー展開なども組み込んだり、継続してみてもらえるようなスマホアプリといった仕掛けがあったからこそ、大人も楽しめる状態に持っていけるわけです。(妖怪ウォッチなどはこういった仕掛けが、かなり露骨に組み込まれてますよね)

 

具体的にはどんな風に使うの?

営業の現場で考えれば、商材やビジネスモデルにもよりますが、例えば、会いに行くのは先方の役に立つ情報などの手土産をもって月1回、メールのニュースレターが月2回、ダイレクトメールの展示会のお誘いが年2回など、常識の範囲内で、何らかの形で接触する理由がきちんとある状態が望ましいといえます。

ですので、営業マネージャーであれば、部下に対して単純に「接触機会を増やすために会いに行け!」と指示するのではなく、自然に会いに行ける情報を定期的に作り出すような仕掛けや、営業が忙しいときもメールでは情報が届くようにするなどの仕組みを作ることがお仕事なんだ、ということですね。

少し話が長くなってしまいましたが、いかがでしたか?

 

今後もメジャーな心理学用語やビジネスに使われる法則などを身近な題材と絡めてご紹介する予定ですので、お楽しみに。

 

ではでは。

この記事を書いた人

岡安裕一