こんにちは。
明日から1週間ほどの間に、プライベートで軽井沢、その後仕事で山形・旭川へと移動が続き、体調が少々心配な岡安です。
年末で少し時間が空いてしまいましたが、【Excelを使った業務改善の小技】の次のトピックスをお届けします。
今回のテーマは、「データの持ち方・絞込み方・集計の仕方」です。
「絞込み方」・「集計の仕方」はいいとして、「データの持ち方」ってどういうこと?と疑問を持つ方も多いかもしれません。
単に自分で表を作ってそれをそのまま使うだけであれば、それほどデータの持ち方を気にする必要はないのですが、ピボットテーブルを使ったり、商品別の集計を簡単に行いたいといったニーズがある場合には、気にしておいた方がなにかとお得です。
今回はまずは「データの持ち方」について簡単に解説します。
今回と次回以降で使用するファイルは、以下からダウンロードできますので、必要に応じてご自由にご利用ください。
直販している農家さんの販売管理のデータをイメージして作ったサンプルのExcelファイルです。
集計するにはデータはヨコではなくタテに持つのがお勧め
さて、いきなりヨコとかタテとか出てきましたが、どういうことでしょうか。
これは実際のデータを見ていただいた方がイメージがつかみやすいと思いますので、まずは二つのExcelのキャプチャ画像をご覧ください。(ダウンロードしたファイルを見ながらでもOKです)
■データをヨコにもったパターン
■データをタテにもったパターン
なんとなくお分かりいただけますでしょうか?
実は、上記の二つの画像(Excelファイルでは別のシート)は、同じデータを違う形でまとめたものなのです。
この二つのデータのまとめ方の違いは、ざっくりいうと、
- 時系列のデータが増えれば増えるほどデータが右に追加されるのが、ヨコ持ち。
- 時系列のデータが増えれば増えるほどデータが下にに追加されるのが、タテ持ち。
ということになります。
(ヨコモチのデータは顧客が増えると下にデータが追加されます)
冒頭にお伝えしたように、作成したデータを集計するなど別の形で活用しないのであれば、どちらの持ち方をしてもよいのですが、商品別や人別の集計を簡単に行いたいならタテもちがお勧めなのです。
どうして集計するにはタテに持つのがいいの?
もう少し詳しく説明しましょう。
例えばヨコ持ちのデータのシートで、「商品別」の金額を集計しようとすると、大変手間がかかります。
例えば、人参(5本)の販売金額を集計しようとすると、D列、H列の中から人参のデータをピックアップして集計する必要があります。
(実際の業務で使う場合には、日付ごとのすべての列から集計する関数を仕込んでおく必要があります)
つまり複数の列から集計を行わなけれなりません。
また、ヨコ持ちのデータにありがちなのが、1つのセルに複数の情報(複数の商品や販売数量)が記載されてしまっていることです。
これでは、セルの内容を人手で分割する必要もあり、さらに集計が大変です。
1つのセルに複数のデータが入っていなかったとしても、新しい日付のデータが横に追加されるたびに、集計対象の列が追加されるため、集計のための関数を変更しなければならないといったことが発生します。
それに対して、タテ持ちのデータは、商品名・数量・金額といったデータがそれぞれ1つの列にあり、列が追加されることはありませんので、集計のための関数などをメンテナンスしなくてもよいといったメリットがあるのです。
また、データをタテ持ちにしているとピボットテーブルを使って、関数を使わずに、簡単に「商品別」「日別」「顧客別」などの集計を行うことができ、「商品の出荷リスト」や「顧客別の発送リスト」などを出力することができます。
ヨコもちにもいい点はデータの見やすさ・わかりやすさ
ちなみに、ヨコ持ちのデータにもメリットがあります。
それは、人間の目で見た時のわかりやすさです。
二つのデータを見たときに、ヨコ持ちのデータの方がわかりやすいと感じませんか?
実はタテ持ちは集計のしやすさと引き換えに、そのままでは人間がパッと見た時に理解がしづらい、業務に使いづらいというデメリットがあります。
そのため、データの集計を意識せずに、情報をExcelでまとめようとするとヨコ持ちのデータになってしまいます。
例えば初めてExcelを使った人がデータをまとめると大体の場合、データはヨコ持ちになります。
そして、集計などに苦労するということになるのです。
ですから、データの集計を簡単にして、かつ、理解しやすい形で表現して業務に活かすためには、タテ持ちのデータを人間が見たときに理解しやすい形に変えてあげる必要が出てくるのです。
つまり、Excelでデータの保存と活用を行う場合には、
- データはタテに持つ(保存する)
- データを活用するには、フィルタを使って情報を絞り込むかピボットを使ってヨコ持ちに変換する
というパターンが、効率の良い使い方ということになります。
(すべてのデータをタテ持ちにした方がよいということではありません)
次回の記事では、具体的な業務にデータを活かすために、このデータの持ち方を踏まえて、「データの絞込み方」(フィルタの使い方)などを中心に解説していきます。
ではでは。